HSPとお仕事と私

労働条件通知書がない・もらってないのは退職理由になる?確認すべきことと辞め方をHSP目線で解説

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入社してからもう三週間が経つのに、机の上にも、メールの中にも、契約内容が書かれた書類は一枚も無い。「そのうち渡すから」と言われたきり、担当者もそれきり何も言ってこない。給与も勤務時間も、面接で聞いていた話と実際とでちょっとずつズレている気がする。

「これって、うちの会社だけ普通じゃないんかな……。でも、契約書ももらってへんのに、このままこの会社に居てええんやろか」。そんなふうにモヤモヤしながらも、「気にしすぎかもしれへん」「みんな我慢してるんかも」と自分に言い聞かせて、今日もなんとなく仕事を続けてしまっていませんか。

結論からお伝えします。労働条件通知書をもらっていない、あるいは口頭説明だけで済まされているという状況は、退職を決める十分な理由になります。

これは単なる「気持ちの問題」ではなく、労働基準法第15条で会社に義務付けられている「労働条件の明示」を、会社側が怠っている状態にあたります。この記事では、「労働条件通知書がないまま辞めてもいいのか」「損をせず退職するにはどう動けばいいのか」という疑問に、法律の基本と、実際に動くときの手順の両方から答えていきます。

この記事の要点

  • 労働条件通知書の交付は労働基準法で定められた会社の義務。もらっていないのは、原則として会社側の法令違反にあたる
  • 通知書が無い、あるいは口頭説明だけで実態と食い違っている状態は、退職理由として十分に成り立つ
  • 労働基準法15条2項により、明示された条件と実際が違う場合は即時に契約を解除できる可能性がある
  • 辞める前にすべきこと=会社に書面交付を求める・やり取りを記録する・必要なら労働基準監督署に相談する
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労働条件通知書とは?交付は会社の法的義務

労働条件通知書とは、賃金・労働時間・業務内容・契約期間・就業場所といった、働くうえでの基本的な条件を書面(労働者が希望した場合はメール等の電磁的方法でも可)でまとめた書類です。会社は、労働者を雇い入れる際にこれらの事項を明示しなければならないと、労働基準法第15条とその関連規則で定められています。

労働条件通知書の交付は、会社の「サービス」や「気配り」ではなく、法律で定められた会社側の義務です。これは正社員だけでなく、契約社員・アルバイト・パートとして働く場合も対象になります。

「口頭で説明したから大丈夫」という会社もありますが、書面(または本人同意のうえでの電磁的方法)での明示が義務付けられている事項は法律で決まっており、口頭説明だけでは会社側の義務を果たしたことにはなりません。今の職場で、契約内容がはっきり書かれた書類を一度も受け取っていないなら、それはあなたの受け止め方の問題ではなく、会社側の対応にそもそも不備があるということです。

労働条件通知書がないことは退職理由になる?

結論として、労働条件通知書がない、あるいは口頭説明のみで実態と食い違っているという状況は、退職を考える十分な理由になります。なお、失業保険で自己都合・会社都合のどちらになるかはハローワークが個別に判定します(明示された条件と実態が著しく違ったことが要件の一つです)。

労働基準法15条2項では、明示された労働条件が事実と異なっていた場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定められています。一般的には「聞いていた条件と実際の条件が違った」というケースで使われる規定ですが、そもそも通知書自体が交付されず、実際の条件を書面で確認する手段が無いまま働かされている状態も、会社側の明示義務(15条1項)違反にあたると考えられます(ただし、この場合に15条2項の即時解除がそのまま使えるかどうかは個別の状況によって判断が分かれるため、実際に使うかどうかは労働基準監督署や専門家に確認してください)。

加えて、通知書が無い状態は「今の契約が本当はどうなっているのか、自分では確認できない」という不安定さを抱えたまま働き続けることを意味します。給与の計算根拠も、契約期間も、正式な書面で確認できない職場に不信感を持つのは、決して大げさなことではありません。「制度的に不誠実な状態に置かれている」という事実だけで、辞める理由としては十分に成立します。

労働条件通知書がない不安を感じたら

労働条件通知書がないことへの不安や迷いは、あなたの受け止め方の問題ではありません。ここまで法律の話をしてきましたが、実際に「辞めよう」と思うまでには、いろんな迷いが顔を出すものです。

こんなことで辞めるなんて、甘えなんちゃうか……。契約書がないくらいで、って周りに思われそうで怖い。

ハリピン

甘えやないよ。働く土台がはっきりしてへん状態で頑張り続けるのは、誰にとってもしんどいことや。そう感じてる人、ほんまに少なくないと思うで。

今さら「契約書ください」なんて言い出しにくい……。角が立ちそうやし、面倒な人やと思われたくない。

ハリピン

言い出しにくい気持ちはようわかる。せやけど、それは本来、最初に会社側が渡しとかなあかんかったもんや。自分を責める必要はまったくないよ。

「気にしすぎかもしれない」と感じてしまうのは、HSP気質の人によくある反応です。でも、契約の土台が見えないまま働き続けることに違和感を覚えるのは、感度が高いからこそ気づけている、ごく自然なことだと僕は思います。

「これは辞めてもいい理由になる」と腹落ちしたなら、次はどう動くかという話です。一人で抱え込まず、外の力を借りるという選択肢も持っておいてください。

ハリピン

僕も「自分の意見を言うても潰されへん」環境に移ってから、ほんまに楽になったんよ

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労働条件通知書がないまま退職する時の確認手順

感情的にならず、記録を残しながら進めるのが、損をしないための一番のポイントです。「辞めてもいい理由がある」とわかったところで、次は実際に動くときの具体的な手順を確認しておきましょう。

  1. 会社に書面での交付を依頼する
    「労働条件通知書をいただいていないので、書面(またはメール等の記録が残る形)で交付してください」と、口頭ではなくメールやチャットなど記録に残る手段で伝えます。会社が渡さない場合でも、依頼した事実そのものが後々の材料になります。
  2. やり取りは日付・担当者名つきで記録に残す
    メールやチャットのスクリーンショット、やり取りの日時、対応した担当者の名前などをメモしておきます。後で労基署や専門家に相談する際、状況を正確に伝えるための材料になります。
  3. 給与明細・シフト表・出勤記録など、実際の労働条件がわかる資料を集めておく
    通知書が無くても、実際に支払われた給与額や働いた時間がわかる資料があれば、実態を示す材料になります。
  4. 会社が応じない、または実際の条件が著しく悪い場合は、最寄りの労働基準監督署に相談する
    労働基準監督署は会社への指導・是正勧告を行う公的な窓口です。通知書の未交付は原則として法令違反にあたるため、相談すること自体に何の後ろめたさもありません。
  5. 退職の意思表示は、通知書の有無にかかわらず伝えてよい
    期間の定めのない雇用契約であれば、民法上、退職の申し出から原則2週間で契約は終了します。「通知書がないと辞められない」ということはありません。
  6. 不安が大きい場合は弁護士や社会保険労務士に相談する
    特に未払い賃金や不当な扱いが疑われる場合は、早い段階で専門家に相談したほうが、その後の対応がスムーズになります。

ここでひとつだけお願いしたいのは、「こんなことで相談していいんかな」と気を張りすぎないでほしいということです。僕自身も昔、頑張るために休むことすら自分に許せず、休日まで気を張って空回りしてしまったことがあります。しんどい状況のときほど、一人で抱え込みすぎないでください。

失業保険は自己都合?会社都合?労働条件通知書がない退職の扱い

辞めると決めたあと、次に頭をよぎるのは「で、失業保険はどうなるん?」ということだと思います。退職届には「一身上の都合」と書くのが普通やし、そうしたら自己都合になって、しばらくお金が入らへんのちゃうか……と不安になりますよね。

会社都合になるかどうかを分けるのは、「通知書が無いこと」そのものより、「聞いていた条件と実際が大きく違ったかどうか」です。

まず、自己都合と会社都合でいちばん違うのは、お金を受け取り始めるまでの期間と、受け取るために必要な加入期間です。

自己都合会社都合(特定受給資格者)
受け取り始めるまで7日間の待期のあと、さらに給付制限(2025年4月以降の退職は原則1か月)7日間の待期のあとから
必要な加入期間原則、辞める前の2年間に通算12か月以上辞める前の1年間に通算6か月以上でも可

そして大事なのが、ハローワークの基準で会社都合(特定受給資格者)にあたる離職の中に、「労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したこと」による離職が入っていることです。面接や求人票で聞いた給与・勤務時間と実際が大きく違って辞めるなら、自分から辞める形でも会社都合として扱われる可能性があります。ただしこの基準には、入社からの期間や違いの程度など細かい条件があります。

ただし、「通知書をもらっていない」だけでは、この条件にそのまま当てはまるとは限りません。比べる元になる「明示された条件」が書面で残っていないからです。だからこそ、求人票や面接で言われた条件のメモ、給与明細、さっきの手順で残したやり取りの記録が、ここで効いてきます。

離職票に書かれた離職理由に納得できないときは、ハローワークの窓口で「異議あり」と伝えれば、資料をもとに事情を確認したうえで判断してもらえます。最終的にどちらになるかを決めるのはハローワークなので、「自分はどっちになりそうか」は、資料を持って窓口で相談するのがいちばん確実です。

もし自己都合になったとしても、失業保険が受け取れなくなるわけではありません。原則1か月の給付制限のあとに受け取れますし、国が対象と定める教育訓練(リ・スキリングのための講座など)を受けると給付制限が解除される仕組みもあります(過去5年のあいだに自己都合の退職で何度も受給している場合は、制限が長くなることがあります)。「辞めたら収入がゼロになる」と思い込んで、条件の見えない職場に居続ける必要はありません。

出典:ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」ハローワーク「基本手当について」厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」

労働条件通知書がない退職に関するよくある質問

「労働条件通知書がない」という状況でよく寄せられる質問に、ここでまとめてお答えします。

労働条件通知書をもらってないまま退職しても問題ありませんか?

問題ありません。労働条件通知書の交付は会社側の義務であり、もらっていないことを理由に退職を拒否されたり、不利益を受けたりする筋合いはありません。期間の定めのない雇用契約であれば、原則として退職の意思を伝えてから2週間で契約は終了します。

労働条件通知書がないのは違法ですか?

はい、原則として違法です。労働基準法15条により、会社は雇い入れの際に労働条件を明示する義務があり、必要事項を書面(または電磁的方法)で交付しないことは法令違反にあたります。ただし個別の状況によって判断が分かれる部分もあるため、詳しく確認したい場合は労働基準監督署に相談するとよいでしょう。

口頭だけで労働条件を説明されただけですが、それを理由に辞められますか?

辞められます。口頭説明だけでは会社が果たすべき明示義務を満たしたことにならず、実際の条件と説明内容が食い違っている場合は、労働基準法15条2項に基づいて即時に契約を解除できる可能性もあります。まずは書面での交付を依頼し、記録を残したうえで退職の意思を伝えましょう。

労働基準監督署に相談すると、会社に知られてしまいますか?

相談者の希望に応じて匿名での相談が可能な場合もあります。また労働基準法104条で、労基署に申告したことを理由とする解雇などの不利益な扱いは禁じられています。心配な場合は、相談の際に「会社に知られたくない」という意向をあらかじめ伝えておくとよいでしょう。

まとめ

労働条件通知書をもらっていない、あるいは口頭説明だけで済まされている状態は、それだけで退職を考える十分な理由になります。「こんなことで」と自分を責める必要はありません。

会社に書面での交付を求め、やり取りや実際の労働条件がわかる資料を記録に残し、必要であれば労働基準監督署や専門家に相談する。この順番で落ち着いて動けば、損をせず次のステップに進むことができます。契約の土台が見えない場所に、これ以上自分を留めておく必要はありません。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談ではありません。具体的な対応については、お近くの労働基準監督署や弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

この記事を書いた人|HSS型HSPとお仕事と私
ハリピン。HSS型HSP当事者として、自分の意見を言っても潰されない環境に移ってから働きやすさが大きく変わった経験を持つ。同じように職場の不透明さや不誠実さにモヤモヤを抱える人が、安心して次の一歩を選べるように情報発信をしている。

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この記事を書いたHSPさん

ハリピン(HSS型HSP)のアバター ハリピン(HSS型HSP) 「HSPとお仕事と私」サイト運営者

このサイトの運営者・ハリピン(HSS型HSP)です。飲食店の店長から営業、東証一部上場(当時)の子会社で社長を5年、転職は6回以上。…で、いまはほぼ無職5年以上続けてます。社長まで行って無職、自分でもすごい振れ幅だと思うけど、これが、わりと本気で「全然オッケー」だと思ってます。 強みも弱みも、やってみないと分からないもので「接客は好きだけど、料理と在庫管理は苦手」って、飲食やって初めて知りました。英語もパソコンも苦手で試めてたことが、AIに助けてもらいながら少しずつできるようになってきた。——つまり、今この瞬間ダメでも、時間が経てば何かが変わるかもしれない。(無職期間も大事ってこと!) 僕がここでやりたいのは、“自分が死ぬ瞬間に自分の人生が「よかったな」と思える様になるキッカケを作ること”。正直、自分自身もまだ模索の途中で、全然偉そうなことは言えません。…でも、だからこそ同じ目線で考えれるかなと思ってます。 健康、睡眠、大事! 死ぬのだけは禁止で!

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