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日曜の夜、布団の中でスマホを見ている。メモ帳には書きかけの退職届の文面。明日の朝も、あの職場に行かなければいけない。
「辞めると決めたのに、何から手をつければいいのか分からない」
「引き継ぎも手続きも、ちゃんとやらなきゃと思うだけで、もう疲れる」
「辞めたあとにお金で困る人もいると聞いて、急に怖くなった」
「退職前にやっておくこと」と検索したあなたは、きちんとしたい人なのだと思います。ただ、体も心も余裕がないときに、やることリストを全部こなそうとしなくて大丈夫です。
先に答えをお伝えします。退職前にやっておくことのうち、辞める前でないと間に合わないのは「体のしんどさを記録しておく(通院)」「退職日の決め方」「書類の受け取り方」の3つです。お金の手続きの多くは、辞めたあとでも間に合います。順番に書きます。
先に言葉を一つだけ。「離職票」は、失業給付(ハローワークで申し込む給付)の手続きに使う、会社が出す書類です。「傷病手当金」は、病気やケガで仕事を休み、その間に給与が出ないときに、加入している健康保険から出る給付です。どちらも、このあと詳しく書きます。
※本記事は医療的な診断・治療を勧めるものではありません。体調の不安が続くときは、医療機関や公的な相談窓口に頼ってください。
この記事の要点
退職前にやっておくことが多く見えるのは、「辞める前」と「辞めたあと」の作業が一つのリストに混ざっているからです。分けてしまえば、いま、疲れている体でやるべきことはかなり少なくなります。
| いつやるか | 内容 |
|---|---|
| 辞める前に(間に合わせたい) | 体のしんどさがあるなら受診/退職日と最終出勤日を決める/有給の残りを確認する/離職票の送り先を会社に伝える/私物と個人データを持ち帰る |
| 辞めたあとで間に合う | 国民年金の手続き/健康保険の切り替え/ハローワークでの失業給付の申し込み/住所変更などの細かい手続き |
| やらなくていい | 完璧な引き継ぎ資料/全員への丁寧な挨拶回り/円満に見せるための説明 |

引き継ぎをちゃんとしないと、辞める資格がない気がしてしまう…
気持ちは分かるんよ。でもな、体を守る順番は引き継ぎより先やで。引き継ぎは「できる範囲で」で大丈夫なんよ。
眠れない、朝になると動悸がする、日曜の夜から息が浅くなる。ここまで我慢してきた人ほど、「病院に行くほどじゃない」と自分を後回しにします。
つらさが続いているなら、辞める前に受診しておく価値があります。理由は、傷病手当金には「辞める前の状態」が関わる条件があるからです。
協会けんぽの案内によると、退職後も傷病手当金を受け取る(継続給付)には、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があることが必要です。また、退職日の時点で傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしていることも必要です。そして退職日に出勤したときは、資格喪失後(退職日の翌日以降)の傷病手当金は支払われません。支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です(出典:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|協会けんぽ)。
つまり、最後の日に挨拶のために出社するかどうかで、辞めたあとの給付が変わる場合があります。ここは、辞める前に知っておきたい点です。実際に受け取れるかどうかは、働けない状態かどうかを含めて個別に決まります。加入している健康保険(協会けんぽか、健保組合か)の窓口で確認してください。
僕は5年ほど無職の期間があり、傷病手当金は受け取っていません。
傷病手当金と受診の流れについては、傷病手当金 一年未満でももらえる?在職中・金額・退職後で変わることに整理しています。
退職日は、気持ちが限界の日ではなく、有給の残り日数と就業規則を見て決めます。ここを先に押さえると、辞める日までの出勤日数が減り、体への負担も減らせます。
有給について、厚生労働省の沖縄労働局のQ&Aでは、退職が予定されている人でも、在籍中であれば退職時までに年次有給休暇を取得する権利があると説明されています。使用者が時季を変えられるのは事業の正常な運営を妨げる場合に限られ、退職日以降に変えることはできないため、請求どおりに与えなければならないとされています(出典:労働相談事例 年休Q1|沖縄労働局(厚生労働省))。
「有給が使えるのは分かっていても、言い出せない」という人は多いです。その場合は、有給の残日数を一度メモに書き出して、「最終出勤日」と「退職日」を分けて考えてみてください。最終出勤日から退職日までを有給にあてる形なら、出社の回数を減らして辞められます。
会社が認めてくれない、話を聞いてもらえないときは、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなどの公的な窓口に相談できます。一人で押し切ろうとしなくて大丈夫です。



有給って、辞める人が使ってもいいのかな…迷惑をかけそうで。
使ってええんよ。「迷惑かな」と思える人ほど、もう十分気を遣ってきた人やで。権利として決まっていることは、堂々と使っていいんよ。
離職票は、辞める日に渡されるものではなく、離職後に届く書類です。ハローワークの案内でも、離職票は離職後に届く(受け取りに行く場合もある)とされています。書類は「−1」「−2」の2種類があります。
だから、辞める前にやっておくことは一つだけです。会社に、離職票の送り先(住所)を伝えておくこと。会社から離職票が交付されない、事業主と連絡がつかないときは、住んでいる地域のハローワークに相談できます(出典:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス)。
また、退職後に国民年金へ入る手続きでは、退職日が分かる書類(離職票など)を求められることがあります(出典:国民年金に加入するための手続き|日本年金機構)。書類は、捨てずにまとめて保管しておきましょう。
ここは、辞めたあとにやる手続きです。いま全部やる必要はありません。ただ、期限があるものだけ、辞める前に頭に入れておくと慌てません。
次の就職先が決まっていない場合、国民年金への加入手続きは、退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区役所または町村役場で行います。収入が減って保険料の納付が難しいときは、「失業等による特例免除」を申請できる制度があります(出典:国民年金に加入するための手続き|日本年金機構、会社を退職したときの国民年金の手続き|日本年金機構)。
ハローワークで求職の申し込みをしたあと、失業の状態にある7日間(待期)は、基本手当が支給されません。正当な理由のない自己都合で辞めた場合は、待期の後にさらに支給されない期間(給付制限)があります。厚生労働省の案内では、退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月、過去5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合で辞めて受給資格の決定を受けている場合は3か月です(給付制限の解除について|厚生労働省)。受給の要件として、離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あることが必要です(特定受給資格者・特定理由離職者は、離職日以前の1年間に通算6か月以上)(出典:雇用保険の具体的な手続き、基本手当の受給要件と給付日数|ハローワークインターネットサービス)。
もう一つ大事なのは、ハローワークの説明では、病気やけがなどですぐに就職できない状態は、失業給付の対象外とされていることです。体調が整うまでの間のお金をどう考えるかは、先ほどの傷病手当金とセットで考える必要があります。どちらが自分に合うかは、ハローワークと加入先の健康保険の窓口で、辞める前に聞いておくのが確実です。
退職後の健康保険には、国民健康保険、任意継続、家族の扶養に入る、といった選び方があります。どれが負担が軽いかは、収入や家族構成で変わります。まず加入先の窓口と、お住まいの市区町村の窓口で確認するのが確実です(参考:退職後の健康保険について|協会けんぽ)。
最後の日にバタバタしないために、私物は少しずつ持ち帰っておくと楽です。会社のパソコンに入れた私的な写真やファイルも、移しておきます。ただし、会社の資料やデータを持ち出すのは別の話です。自分のものだけを持ち帰ってください。
引き継ぎが完璧でなくても、辞めることは悪いことではありません。繊細な人ほど「迷惑をかけたくない」で、自分の体力を削ってしまいます。でも、会社の人手や仕組みを整えるのは、本来は会社の仕事です。
できる範囲で、「誰が見ても分かる」程度のメモを残す。それで十分です。挨拶回りも、全員に丁寧にやる必要はありません。お世話になった数人に一言伝えられれば、それで大丈夫です。
HSP(とても敏感な気質)の人は、刺激を深く処理しやすいといわれます。病名ではなく、気質の呼び名です。退職のときも、上司の表情、同僚の視線、引き継ぎ先の不安まで、まとめて受け取ってしまいやすいと考えられます。
「きちんと辞めなきゃ」は、責任感の強さの表れです。ただ、その力みを全部の作業に向けると、肝心の体を守る作業にエネルギーが残りません。辞める前にやることは、増やすのではなく、減らして選ぶものです。
つらさが続くときは、厚生労働省の「こころの耳」に働く人向けの電話相談があります(こころの耳 電話相談|厚生労働省)。
まず、体のしんどさがあるなら受診、次に有給の残りを確認して退職日と最終出勤日を決める、最後に離職票の送り先を会社に伝える、の順です。お金の手続きの多くは辞めたあとで間に合います。
この記事の最初の表がそのままチェックリストになります。「辞める前に」「辞めたあとで間に合う」「やらなくていい」の3つに分けて、上から順に確認してください。
病気やケガで仕事を休み、給与が出ないときは、加入している健康保険の傷病手当金の対象になる場合があります。受け取れるかどうかは条件によるため、協会けんぽや健保組合に確認してください(協会けんぽ)。失業給付は、辞めたあとにハローワークで申し込むものです。
傷病手当金を退職後も受け取りたい場合は注意が必要です。協会けんぽは、退職日に出勤したときは、資格喪失後の傷病手当金は支払われないとしています。出社の前に、必ず加入先に確認してください。
厚生労働省の沖縄労働局のQ&Aでは、退職予定者も在籍中であれば退職時までに年次有給休暇を取得する権利があり、退職日以降に時季を変更することはできないと説明されています。個別の事情は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーで確認してください。
会社から交付されない、事業主と連絡がつかないときは、住んでいる地域を管轄するハローワークに相談できます。
この記事を書いた人|ハリピン(HSS型HSPとお仕事と私 運営者)
繊細な気質と向き合いながら「自分に合う働き方」を模索してきたHSS型HSP当事者。同じように繊細さで悩むHSPさんへ、当事者の視点で発信しています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断を行うものではありません。つらさが続くときは専門機関にご相談ください。


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このサイトの運営者・ハリピン(HSS型HSP)です。飲食店の店長から営業、東証一部上場(当時)の子会社で社長を5年、転職は6回以上。…で、いまはほぼ無職5年以上続けてます。社長まで行って無職、自分でもすごい振れ幅だと思うけど、これが、わりと本気で「全然オッケー」だと思ってます。 強みも弱みも、やってみないと分からないもので「接客は好きだけど、料理と在庫管理は苦手」って、飲食やって初めて知りました。英語もパソコンも苦手で試めてたことが、AIに助けてもらいながら少しずつできるようになってきた。——つまり、今この瞬間ダメでも、時間が経てば何かが変わるかもしれない。(無職期間も大事ってこと!) 僕がここでやりたいのは、“自分が死ぬ瞬間に自分の人生が「よかったな」と思える様になるキッカケを作ること”。正直、自分自身もまだ模索の途中で、全然偉そうなことは言えません。…でも、だからこそ同じ目線で考えれるかなと思ってます。 健康、睡眠、大事! 死ぬのだけは禁止で!
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