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失業保険はパワハラの証拠がないと不利?離職理由の決まり方と、今から残せるもの

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深夜、布団の中。明日もあの人の顔を見ると思うだけで、胃のあたりがぎゅっと縮む。もう辞めたい。そう思ってスマホを開いたとたん、別の不安が頭をもたげてくる。

「録音なんて、していない」

「メモも残していないし、その場では笑ってやり過ごしてた」

「証拠がないと、結局ただの自己都合って言われるのかな。失業保険も減っちゃうの?」

そんなふうに、つらさの上にお金の心配まで重なって、「失業保険 パワハラ 証拠がない」と打ち込んでいませんか?

先に、いちばん大事なところを言います。証拠が手元にないからといって、そこで話が終わるわけではありません。離職理由は、ハローワークが事実関係を調べたうえで判定する仕組みになっています。

ここで出てくる言葉を、先に整理しておきます。失業保険は、正式には雇用保険の「基本手当」です。そして、パワハラなどが理由で辞めた人が当てはまりうる区分が「特定受給資格者」。会社都合の退職と呼ばれることもあるものです。この記事では、その入口にあたる「離職理由」がどう決まるのかを中心にお話しします。

周りの空気や相手の機嫌を人一倍細かく拾ってしまう、HSP(Highly Sensitive Person/繊細な気質)の人は、嫌なことをされても「自分が悪いのかも」と飲み込み、記録を残す余裕もないまま消耗しやすいと言われます。証拠がないのは、あなたの落ち度ではありません。

この記事では、離職理由が決まる仕組み、特定受給資格者の中でパワハラがどう扱われているか、今からでも残せるもの、離職票を受け取った時の確認ポイント、公的な相談先までを順番にお話しします。なお、実際にどう判定されるかは一人ひとりの事情で変わります。最終的な判断はハローワークや労働局、弁護士などの専門家に確認してください。

この記事の要点

  • 離職理由は、ハローワークが事実関係を調査したうえで判定します
  • 特定受給資格者の範囲には、上司・同僚等からの嫌がらせによる離職が挙げられています
  • 証拠がなくても、今から残せるもの・集められるものはあります
  • 離職票の離職理由が自分の認識と違う時は、署名や手続きの前にハローワークへ相談します
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失業保険はパワハラの証拠がないと不利?まず知っておきたい前提

証拠という言葉を聞くと、録音や診断書のような、はっきりした「物」を思い浮かべますよね。それが一つもないと、何を言っても信じてもらえないのでは。そう感じて、手続きの前から気持ちが折れてしまう人は少なくありません。

でも、失業保険の離職理由は、裁判のように「証拠が揃った側が勝つ」という場で決まるものではありません。ハローワークは、離職した人の話と会社側の記載の両方を見て、事実関係を調べたうえで離職理由を判定します。手元に何もないことと、判定が絶望的であることは、イコールではありません。

とはいえ、「だから大丈夫です」とも言い切れません。判定はケースごとに行われるもので、結果は誰にも保証できないからです。ここは正直にお伝えします。

言えるのは、こういうことです。証拠がないことは、あなたが悪いからではなく、つらい最中に記録を取る余裕なんてなかったという、ごく自然な事情です。そして、今からでも動ける道は残っています。

あの時、メモを取っておけばよかった…今さら遅いよね

ハリピン

その場を耐えるだけで精一杯やったんやから、責めんといてあげてな。今からできること、順番に見ていこ。

パワハラで辞めた時の離職理由は誰が決める?ハローワークの判定の仕組み

仕組みを知ると、漠然とした不安が少し小さくなります。ハローワークインターネットサービスの手続きの説明には、次のような流れが書かれています。

  • 離職後、会社から離職票(-1、-2)が届く
  • 会社がハローワークに出す「離職証明書」は、離職前に本人が氏名を記載することになっているので、離職理由等の記載内容も本人が確認する
  • ハローワークで受給資格の決定を行う。このときに、離職理由についても判定する
  • ハローワークでは、事実関係を調査のうえ、離職理由を判定する

つまり、離職理由を最後に判定するのは会社ではなく、ハローワークです。離職票に書かれた理由が、そのまま確定するわけではありません。

ここで大事なのが、判定のタイミングです。離職理由は、失業保険の受給資格を決める手続きの中で判定されます。だから、退職前や離職票が届く前の段階で「どうせ証拠がないから」と結論を出してしまわなくて大丈夫です。

離職理由が大切なのは、区分によって基本手当の所定給付日数が異なるためです。ハローワークインターネットサービスでも、特定受給資格者などの区分ごとに給付日数が示されています。金額や日数の具体的な見込みは、人によって大きく変わります。会社都合の場合の金額の考え方は、失業保険は会社都合だといくらもらえる?で整理しています。

特定受給資格者の範囲に、パワハラ(嫌がらせ)はどう書かれているか

では、パワハラで辞めた場合は「特定受給資格者」にあたるのでしょうか。ハローワークインターネットサービスの「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲」には、特定受給資格者の範囲の一つとして、次のように書かれています。

上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者

同じ項目には、セクシュアルハラスメントや、妊娠・育児に関するハラスメントの場合も挙げられています。

パワハラという言葉そのものが並んでいるわけではありませんが、「上司、同僚等からの嫌がらせ」を受けて離職した人は、特定受給資格者の範囲に入りうる、という形で制度に位置づけられています。

ただし、ここで一つ線を引かせてください。この範囲に書かれていることと、「あなたが実際に特定受給資格者と判定されるかどうか」は別のことです。実際に当てはまるかどうかは、離職に至った事情を踏まえて、ハローワークが判定します。この記事から「会社都合になります」「必ず受給できます」とは言えません。

それでも、「嫌がらせで辞めた人が対象になりうる」と制度に書かれているという事実は、知っておいてよいことです。自己都合で辞めるしかなかった自分を、最初から諦める必要はありません。

パワハラで辞める時の退職届の書き方については、退職届の例文(パワハラで辞める場合)にまとめています。退職届の書き方が、離職理由の判定とどうつながるのか気になる人は、あわせて読んでみてください。

パワハラの証拠がない時、今からでも残せるもの・集められるもの

ここからは、気持ちの話から少し実務の話に入ります。まず前提として、ハローワークが何をどんな資料で確認するかを、ここで一つひとつ断定することはできません。判定は個別の事情ごとに行われるからです。

そのうえで、離職理由について説明する時に、事情を話しやすくなる材料になりうるものを挙げます。録音がなくても、「時期・場所・言われたこと・されたこと」を後から思い出して書き留めておくことは、今日からできます。

  • 思い出した出来事の記録:いつ、どこで、誰に、何を言われた・されたか。曖昧な部分は「曖昧」と書いたままで構いません。記憶が新しいうちほど書きやすいです
  • 手元に残っているやりとり:メール、LINE、社内チャット、業務連絡の文面。スクリーンショットを撮っておくと安心です(社内の情報を持ち出すことには注意が必要なので、自分宛てのやりとりの範囲にとどめます)
  • その時に自分が誰かに話した記録:家族や友人に送ったメッセージ、日記アプリの書き込みなど。当時の様子が日付つきで残っていることがあります
  • 同じ職場の人の話:様子を見ていた同僚が、「あの場にいた」と話してくれる場合があります。無理に頼まず、頼める関係の人がいればという程度で十分です
  • 相談した記録:社内の相談窓口、労働局、病院などに相談した日付と内容。「いつ誰に相談したか」自体が、時間の流れを示す手がかりになります
  • 勤務の状況が分かるもの:出退勤の記録、シフト表、給与明細など。働き方の事情を説明する時の下支えになることがあります

心身の不調が出ている場合は、病院で受診した記録や診断書も、つらさの経過を説明する材料の一つになりえます。ただし、診断書があるから、ないからで判定が決まるとは言えません。受診はまず自分の体を守るために考えてください。

※本記事は医療的な診断・治療を勧めるものではありません。つらさが続く時は専門機関へ相談してください。

ここまで読んで、「どれも少ししかない」と感じたかもしれません。大丈夫です。全部揃えることが目的ではなく、自分の言葉で経緯を説明できる状態に近づけることが目的です。

僕も昔、場の空気を読みすぎて何でも引き受け、抱え込んで潰れてしまった時期があります。あの頃は、しんどさを言葉にする前に、体のほうが先に限界を出していました。だから、記録を残す余裕なんてなかった、という気持ちは想像できます。それでも、思い出して書き出すだけなら、後からでも一人でできます。

パワハラ退職の離職票を受け取った時、離職理由欄で確認すること

退職後、会社から離職票が届きます。封筒を開けるのが怖い、という人もいるかもしれません。でも、ここは落ち着いて確認する場面です。ハローワークインターネットサービスでは、会社が出す「離職証明書」に離職前に本人が氏名を記載するため、その時点で離職理由等の記載内容を確認するよう案内されています。退職後に届く離職票でも、同じ離職理由を読み直します。

離職票を受け取ったら、署名や提出の前に、離職理由欄の記載が自分の認識と合っているかを読み直します。確認したいのは、次のようなところです。

  • 離職理由が「自己都合」「一身上の都合」とだけ書かれていないか。自分が辞めた経緯とずれていないか
  • 嫌がらせやパワハラについて、書かれているか、まったく触れられていないか
  • 退職日や在籍期間など、事実の欄が自分の記憶と合っているか
  • 自分が退職届に書いた内容と、離職理由の書き方が食い違っていないか

気をつけたいのは、勢いで退職届に「一身上の都合」と書いてしまっていた場合です。パワハラを受けていても、退職届にはそう書いた、という人は多いです。ただ、退職届の書き方だけで離職理由のすべてが決まるとは限りません。ハローワークは事実関係を調べて判定するからです。気づいた時点で、自分を責めずにハローワークで相談してみてください。

離職票がなかなか届かない時は、会社が離職票を出してくれない時の対処も参考にしてください。

離職票の離職理由が自分の認識と違う時の動き方

離職票を見て、「え、パワハラのことなんて一言も書かれていない」「自己都合になっている」と固まってしまうことがあります。その時、どう動けばいいか。ハローワークインターネットサービスには、こう案内されています。

離職理由に異議がある場合(実際は、事業主からの退職勧奨であるにも関わらず、自己都合退職とされている場合など)は、ハローワークにご相談ください

離職理由が自分の認識と違う時は、会社と言い合いを続けるより先に、ハローワークに「異議がある」と相談することが入口になります。

動き方を、順番に並べます。

  1. 離職票の記載のどこが、自分の認識と違うのかを書き出す
  2. 前の節で挙げたような、思い出した経緯・やりとり・相談記録などを手元にまとめる(少なくても構いません)
  3. 離職票を持って、住所を管轄するハローワークの窓口で、経緯と「異議がある」ことを口頭で伝える
  4. ハローワークの案内に沿って、必要な手続きや書類を確認する

窓口では、うまく説明しようと気負わなくて大丈夫です。時系列がバラバラでも、思い出せる順に話して構いません。メモを見ながら話すだけで十分です。

なお、手続きには期限があります。離職票が手元にあるのに動けないでいると、日が過ぎていくのが怖くなりますよね。期限の目安は、失業保険の手続きはいつまで?申請期限でも確認できます。

窓口で「証拠は?」って聞かれたら、何も言えなくなりそう…

ハリピン

手元に何があるか、ありのまま伝えたらええんよ。無いものを取りつくろう必要はないからね。

パワハラ退職の失業保険で不安な時の相談先(ハローワーク・総合労働相談コーナー・法テラス)

一人で抱えていると、頭の中で同じ不安がぐるぐる回ります。相談先は一つではありません。失業保険の手続きの話か、パワハラそのものの話か、法律の話かで、窓口を分けて考えると楽になります。

相談は、白黒をつけるためではなく、自分の状況を整理するために使って大丈夫です。

  • ハローワーク:離職票の離職理由に異議がある時、失業保険の受給手続きと離職理由の判定について。住所を管轄する窓口で相談します
  • 総合労働相談コーナー:厚生労働省の案内では、解雇、雇止め、賃金の引下げ、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、あらゆる分野の労働問題を対象に、予約不要・無料で相談できます。全国の労働局や労働基準監督署など378箇所に設置されています。必要に応じて「助言・指導」や「あっせん」の案内も受けられます
  • 法テラス(日本司法支援センター):どこに相談したらよいか分からない時の入口になります。法テラス・サポートダイヤルは0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時。祝日・年末年始を除く)です。無料法律相談には、一定の要件があります

電話をかける気力が出ない日もあります。その時は、まず「話す内容を3行だけメモする」ところから始めてみてください。いつ辞めたか、何があったか、いま何に困っているか。これだけで、窓口での最初の一言がぐっと楽になります。

あなたの場合に離職理由がどう判定されるか、請求や交渉が可能かといった個別の判断は、この記事ではお伝えできません。最終的な判断は、ハローワーク、労働局、弁護士などの専門家に確認してください。

※本記事は医療的な診断・治療を勧めるものではありません。つらさが続く時は専門機関へ相談してください。

失業保険とパワハラ、証拠がない時のよくある質問

パワハラの証拠がないと、失業保険は自己都合になりますか?

証拠がないだけで自己都合と決まるわけではありません。離職理由は、ハローワークが事実関係を調査したうえで判定します。結果はケースごとに異なるため、離職票の記載に違和感がある時は、ハローワークで相談してください。

パワハラで辞めると、失業保険はもらえますか?

受給できるかどうかは、雇用保険の加入期間などの条件と、離職理由の判定によります。上司・同僚等からの嫌がらせで離職した人は、特定受給資格者の範囲の一つとして挙げられています。実際に当てはまるかは、ハローワークの判定になります。

パワハラで辞めた場合、会社都合の退職になりますか?

会社が離職票に「会社都合」と書くかどうかと、ハローワークが特定受給資格者と判定するかどうかは、別の話です。判定はハローワークが行うため、「必ずなる」とは言えません。離職理由に納得できない時は、ハローワークに相談します。

特定受給資格者にパワハラは含まれますか?

ハローワークインターネットサービスの「特定受給資格者の範囲」には、「上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者」と書かれています。パワハラという語そのものではなく、嫌がらせとして位置づけられています。

録音やメモがなくても、今からできることはありますか?

あります。思い出せる出来事を日付つきで書き出す、残っているメールやLINEを保存する、相談した日付を記録する、といったことが今日からできます。全部を揃えようとせず、自分の言葉で経緯を説明できる状態を目指してください。

退職届に「一身上の都合」と書いてしまいました。もう手遅れですか?

手遅れと決めつける必要はありません。離職理由は、退職届の書き方だけでなく、ハローワークが事実関係を調べて判定します。経緯を整理して、離職票を持ってハローワークで相談してみてください。最終判断は窓口や専門家にご確認ください。

この記事を書いた人|ハリピン(HSS型HSPとお仕事と私 運営者)
繊細な気質と向き合いながら「自分に合う働き方」を模索してきたHSS型HSP当事者。同じように仕事で悩むHSPさんへ、当事者の視点で発信しています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断を行うものではありません。つらさが続くときは専門機関にご相談ください。

アデペン

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この記事を書いたHSPさん

ハリピン(HSS型HSP)のアバター ハリピン(HSS型HSP) 「HSPとお仕事と私」サイト運営者

このサイトの運営者・ハリピン(HSS型HSP)です。飲食店の店長から営業、東証一部上場(当時)の子会社で社長を5年、転職は6回以上。…で、いまはほぼ無職5年以上続けてます。社長まで行って無職、自分でもすごい振れ幅だと思うけど、これが、わりと本気で「全然オッケー」だと思ってます。 強みも弱みも、やってみないと分からないもので「接客は好きだけど、料理と在庫管理は苦手」って、飲食やって初めて知りました。英語もパソコンも苦手で試めてたことが、AIに助けてもらいながら少しずつできるようになってきた。——つまり、今この瞬間ダメでも、時間が経てば何かが変わるかもしれない。(無職期間も大事ってこと!) 僕がここでやりたいのは、“自分が死ぬ瞬間に自分の人生が「よかったな」と思える様になるキッカケを作ること”。正直、自分自身もまだ模索の途中で、全然偉そうなことは言えません。…でも、だからこそ同じ目線で考えれるかなと思ってます。 健康、睡眠、大事! 死ぬのだけは禁止で!

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