\ 教えて掲示板 /
\ つながろう /
\ 色んな経験/

「これ、今日中でお願いね。急ぎだから」
上司からそう言われた瞬間、頭の中が真っ白になる。
手元にはまだ終わっていない作業があって、そこに新しい依頼が降ってきて、画面の端ではチャットの通知が点滅している。
どれから手をつければいいのか分からなくて、体だけが固まって動けなくなる。
「みんなはどうして、あんなにパッと切り替えられるんだろう」
「私だけこんなに時間がかかって、ついていけていない」
「臨機応変にできない自分は、社会人として何かが欠けているんじゃないか」
結論から伝えます。あなたが遅いのではなく、ひとつのことを深く処理してから次に進むタイプだから、複数のことを同時に速く回す働き方と噛み合っていないだけです。
それは甘えでも、能力不足でもありません。HSP(Highly Sensitive Person、生まれつき感覚が敏感で刺激を人一倍深く処理する気質を持つ人)には、入ってきた情報を無意識のうちに掘り下げてから行動に移すという特徴があるとされています。
この「深く処理する」性質は、実は「速さ」と引き換えにしにくい構造を持っています。だからこそ、複数の作業を同時に、しかもスピーディに回すことを求められる場面で、人一倍しんどさを感じやすいのです。
この記事では、なぜスピードを求められる仕事がHSP気質の人にとって人一倍苦手に感じるのかという理由から、「臨機応変にできない」ことの本当の意味、今の職場でできる工夫、それでも辛いときに考えたい仕事・働き方の選択肢まで、順番にお伝えします。
この記事の要点
周りが涼しい顔でパッパッと仕事をこなしているのに、自分だけ人一倍時間がかかって、焦れば焦るほど余計に手が止まる。そんな感覚を持ったことがあるかもしれません。
それは、性格が弱いからでも、努力が足りないからでもありません。
HSPという気質を提唱した心理学者エレイン・アーロン氏によれば、HSPは受け取った刺激を無意識のうちに深く処理する傾向があるとされています。目に入った情報、耳に入った言葉、場の空気まで、一つひとつを丁寧に読み込んでから反応する。それが、HSPという気質のいちばんの核にあります。
たとえるなら、他の人が何本もの回線を同時に開いて情報を受信できるタイプだとしたら、HSPは一つの回線をじっくり開いて、そこに流れてくる情報を隅々まで受け取るタイプに近いかもしれません。
一つの回線でじっくり受信するからこそ、細部への気づきや丁寧さが生まれます。でもその分、同時に何本もの回線を開いて、しかも高速で切り替え続けることには、構造的に無理がかかります。
スピードとマルチタスクを同時に求められる場面は、HSPの「深く処理する」という気質そのものと、正面からぶつかりやすいのです。だから人一倍しんどく感じるのは、当然のことです。
そしてこの「深く処理する」力は、見方を変えれば、細かいミスに気づく力であり、相手の言葉の奥にある意図を汲み取る力でもあります。苦手さの裏側には、あなたの丁寧さがそのまま埋まっています。
「このまま続けていいのかな」と、帰り道に何度も考えてしまう夜があるかもしれません。
今ここで答えを出さなくて大丈夫です。ただ、つらさの正体を少しだけ分けて眺めておくと、次の一手が選びやすくなります。思い出せる範囲で、次の3つを振り返ってみてください。
当てはまるものが多いほど、「仕事が合わない」というより「今の進め方や急かされ方が合っていない」可能性が高いです。進め方や声のかけ方は、前もって伝える、一度整理してから動くなど、変えられる部分が残っています。
反対に、どれにも当てはまらず、ひとつずつ丁寧にやっても追いつかない状態が長く続くなら、環境そのものを変える選択肢を考えていい時期です。それは逃げではなく、力を出せる場所を選び直すということです。
「もっと臨機応変に対応して」と言われるたびに、自分のどこかが壊れているような気がしてしまう。そんな経験はないでしょうか。
臨機応変というのは、想定外の情報が飛び込んできた瞬間に、それまでの優先順位を頭の中で組み替えて、すぐに動き出す作業です。
HSPにとってこれが苦手なのは、優先順位を組み替えるという作業自体を、他の人よりも深く、時間をかけて行っているからです。頭が悪いからでも、要領が悪いからでもありません。
実は僕(このサイトを運営しているハリピン)も、場の空気を読みすぎて「ちょっと待ってください」が言えないまま、次から次へと頼まれごとを引き受けてしまい、気づいたら同時にいくつも回せる量ではなくなって、心も体も参ってしまったことがあります。
「今は無理です」と一呼吸置くことが、なぜかとても難しく感じる。それは意志が弱いからではなく、その場で瞬時に線を引くこと自体が、HSPには重い作業だからです。
「臨機応変にできない」のは能力の欠陥ではなく、事前の準備なしに切り替えることが苦手、というだけの話です。裏を返せば、事前に流れが見えていれば、あなたはちゃんと力を発揮できます。
気質そのものが大きく変わることは考えにくい、と言われています。でも、働き方の中でしんどさを和らげる工夫は、いくつもあります。
意志の力で「速くなる」ことを目指すのではなく、環境側の負担を減らすことを目指すのが、いちばん現実的な方向です。
どれも「頑張って速くなる」ための工夫ではありません。あなたが元々持っている、深く丁寧に処理する力を、そのまま活かすための工夫です。
工夫を重ねても、今の職場の求めるスピード自体が、自分の気質と大きくズレていることもあります。そのときは、環境を変えることも十分に検討していい選択肢です。
速さを求められる場所で無理に自分を変えようとせんでも、自分のペースで力を発揮できる場所を探すという道もあるで。

「今の仕事が合っているか分からない」というだけでも、相談してみる価値はあります。自分に合う働き方の選択肢を知っておくだけで、気持ちが軽くなることがあります。
→ HSPにおすすめの転職エージェント・相談先まとめを見る
選ぶときの軸は、仕事の種類そのものよりも「深く処理する時間が確保されているか」です。
締め切りに幅がある、進め方の判断基準があらかじめ明文化されている、差し込みの依頼が少ない——こうした条件が揃っている環境では、あなたの深く処理する力はそのまま強みになります。
今の会社の中に、そうした働き方ができる部署やポジションがないか、まずは目を向けてみるのも一つの手です。すぐに転職という結論を急ぐ必要はありません。ただ、選択肢を知っておくことは、いつでもできます。
甘えではありません。HSPが情報を深く処理する気質を持っている以上、速さと引き換えに丁寧さを削るのは、誰にとっても簡単なことではありません。向いていないと感じるのは、自然な反応です。
いいえ。マルチタスクが苦手なことと、仕事全体の適性がないことはイコールではありません。一つのことに深く集中して取り組む仕事では、その丁寧さがそのまま評価につながることも多くあります。苦手なのは「同時並行の速さ」であって、「仕事そのもの」ではありません。
気質そのものが大きく変わることは考えにくいですが、事前に「想定外が起きたらどうするか」のパターンをいくつか用意しておくと、その場での組み替えの負担は減らせます。ゼロから対応するのではなく、想定の幅を広げておくというのが現実的な工夫です。
まずは「今の職場でできる工夫」を一つだけ試してみることをおすすめします。それでもしんどさが変わらないなら、自分に合う仕事・働き方を知ることから始めても構いません。焦って結論を出す必要はありません。
スピードを求められる仕事が苦手だと感じるのは、あなたの努力不足でも、能力の欠陥でもありません。
一つのことを深く処理する気質が、複数のことを同時に速く処理する働き方と噛み合っていないだけです。
今の職場でできる工夫を一つ試してみること。それでも辛ければ、自分のペースを活かせる仕事や働き方に目を向けてみること。どちらも、今日から始められる小さな一歩です。
あなたの「深く考える力」は、欠点ではありません。合う場所を見つければ、それはそのまま武器になります。
この記事が気に入ったら
フォローしてね!
このサイトの運営者・ハリピン(HSS型HSP)です。飲食店の店長から営業、東証一部上場(当時)の子会社で社長を5年、転職は6回以上。…で、いまはほぼ無職5年以上続けてます。社長まで行って無職、自分でもすごい振れ幅だと思うけど、これが、わりと本気で「全然オッケー」だと思ってます。 強みも弱みも、やってみないと分からないもので「接客は好きだけど、料理と在庫管理は苦手」って、飲食やって初めて知りました。英語もパソコンも苦手で試めてたことが、AIに助けてもらいながら少しずつできるようになってきた。——つまり、今この瞬間ダメでも、時間が経てば何かが変わるかもしれない。(無職期間も大事ってこと!) 僕がここでやりたいのは、“自分が死ぬ瞬間に自分の人生が「よかったな」と思える様になるキッカケを作ること”。正直、自分自身もまだ模索の途中で、全然偉そうなことは言えません。…でも、だからこそ同じ目線で考えれるかなと思ってます。 健康、睡眠、大事! 死ぬのだけは禁止で!
\ 最後まで読んでくれてありがとうございます /
しんどさの形は人それぞれですが、会社に籍を置いたまま休んで生活費を受け取れる制度があることは、知っておいて損はありません。
無料です。追加すると、ハリピンとのLINEが開きます。送ってくれたメッセージは、僕が自分で読んで返します。