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目覚まし時計が鳴る前に、目が覚めてしまう。布団の中で天井を見つめたまま、今日一日をどうやり過ごせばいいのか、体の奥から重たいものがせり上がってくる。着替えを終えて玄関に立った瞬間、足が一歩も前に出ない。そんな朝を、もう何度も繰り返していませんか。
「もう、今の仕事を続けられそうにない」
「頑張りたい気持ちはあるのに、体が言うことを聞いてくれない」
「これ以上無理をしたら、本当に壊れてしまう気がする」
こんなふうに感じて、「情けない」「甘えているだけかもしれない」と、自分を責めていませんか。
結論からお伝えします。仕事を続けられそうにないと感じるのは、気力や根性が足りないからではありません。HSP(Highly Sensitive Person、繊細さんと呼ばれる感覚処理感受性の高い人)は、職場で受け取る刺激を人よりも深く処理する気質のため、自覚しないまま人一倍のエネルギーを使い切ってしまい、限界を体のほうが先に感じ取ってしまうことがあります。
提唱者であるアーロン博士(Elaine N. Aron)によると、HSPは「感覚処理感受性」と呼ばれる気質特性を持ち、その特徴は博士が2010年に整理した「DOES」という4つの要素(深く処理する・刺激を受けやすい・感情反応が強く共感力が高い・些細な刺激に気づきやすい)で説明されており、周囲の刺激や人の感情の変化を人一倍深く処理する傾向があるとされています。
出典:エレイン・N・アーロン博士 公式サイト「The Highly Sensitive Person」(hsperson.com)同じ業務量、同じ人間関係の中にいても、刺激を深く受け止めて処理する分だけ、消費するエネルギーの総量そのものが人より多くなりやすいのです。
この記事では、「仕事を続けられそうにない」と感じてしまう理由と、そのサインを放っておくとどうなるか、そして今まず自分に確認したいことから、それでもつらいときに視野に入れてよい選択肢まで、順を追ってお伝えします。
この記事の要点
HSPは、職場で起きる音・光・人の表情の変化といった刺激を、人よりも深く、たくさん受け取ってしまう気質を持っています。電話の音、上司のちょっとした声のトーン、資料の細かい誤字、会議室の空気――一つひとつは些細に見える刺激でも、HSPの脳はそれを深く処理しようとするため、意識していなくても常に多くのエネルギーを使っています。
仕事を続けられそうにないというその感覚は、サボりでも甘えでもなく、脳が一日じゅう受け止め続けた刺激を、人一倍深く処理してきた結果です。同じ職場で同じ業務量をこなしていても、隣の同僚が平然としているのに、自分だけ「もう限界」と感じてしまう。能力の差ではありません。やる気の差でもありません。刺激の処理の仕方そのものが、違うのです。
たとえるなら、パソコンで常に何十個ものタブを開いたまま作業しているような状態です。一つひとつのタブ(刺激)は小さくても、開きっぱなしにしている分だけ処理能力を食われ続け、他の人よりずっと早く動作が重くなってしまう。壊れているわけではなく、もともと処理している量が違うだけなのです。
仕事中は、周りに気を配り、求められる役割をこなすことに意識が向いているため、自分がどれだけ消耗しているかに気づきにくいという特徴もあります。だからこそ、ふとした瞬間――出勤前の玄関先や、仕事帰りの電車の中で――「もう続けられそうにない」という感覚が、堰を切ったように押し寄せてくるのです。
月曜の朝も、金曜の夜も、同じように「もう無理かもしれない」と感じている。仕事を続けられそうにならない感覚が何日も続くと、「気合が足りないだけかもしれない」「もう少し頑張ればきっと慣れる」と、自分を鼓舞して乗り切ろうとする人は少なくありません。しかし、気力だけで押し切ろうとするほど、実はその感覚から遠ざかるどころか、消耗はさらに積み重なっていきます。
気力で押し切り続けることは、充電が切れかけたまま電源を入れ続けるようなもので、頑張っているようでいて、実は消耗をさらに深めているだけです。それは意志の弱さではなく、回復するための時間を自分に与えられていないだけです。
「もう続けられそうにない」という感覚を、根性のなさの証拠として受け取らないでください。それは、あなたの心と体が「もう限界に近い」と伝えてきている、大切なサインです。このサインを無視して走り続けると、その日のうちに回復しきれない消耗が少しずつ積み重なり、休日をしっかり過ごしたつもりでも本調子に戻れない、という状態が続いていくことがあると言われています。
おかしくありません。それは頑張ってきた証拠です。まずは自分に向けてそう言ってあげてください。そのうえで、次の章で紹介する「今、自分に確認したいこと」を、一つずつ見ていってほしいと思います。
「もう続けられそうにない」と感じたとき、いきなり大きな決断をする必要はありません。まずは、今の自分の状態を静かに確認するところから始めてみませんか。
確認したいのは「休めているか」「刺激を減らす工夫ができているか」「一人で抱え込んでいないか」の3点です。この3つが崩れたまま働き続けていないか、一つずつ振り返ってみてください。
全部を一気に変えようとしなくて大丈夫です。一つでも整えられたら、それは十分な前進です。逃げているのではなく、消耗しすぎないための調整をしているだけ。小さな確認の積み重ねこそ、遠回りに見えて一番確実な近道です。
ここで一つだけ、大切なことをお伝えしておきます。この記事は医学的な診断を行うものではなく、HSPという気質の傾向による疲労の特性について、一般的な情報をお伝えするものです。「もう消えてしまいたい」というほどのつらさや、眠れない日・食欲のない日が2週間以上続くといった状態が伴う場合は、気質の話だけで抱え込まず、心療内科や精神科など医療機関に相談してください。夜間や休日で医療機関につながらないときは、よりそいホットライン(0120-279-338/24時間対応・通話料無料)で相談員に話を聞いてもらえます。
それでも、こうして自分の状態を確認しても、仕事を続けられそうにならない感覚がまったく軽くならない――そんな日もあると思います。そんなときは、もう一段階手前にある、環境という選択肢について考えてみる時期なのかもしれません。
確認と工夫を重ねても、仕事を続けられそうにならない状態が何週間も、何ヶ月も続いているなら――それは、気持ちの持ちようだけで解決できる範囲を、すでに超えているサインかもしれません。
毎日ここまで消耗しているのだとしたら、それは我慢が足りないのではなく、今の環境があなたの気質に対して負荷が高すぎるだけです。環境を変えることは逃げではなく、自分の消耗量を無理のない範囲に戻すための、まっとうな選択肢の一つです。
具体的には、以下のようなことから考えてみるのも一つの方法です。
僕も昔、仕事にとことん没頭して、気づいたらプライベートも心身もボロボロになってた時期があってん。あの頃の自分に言いたいのは「今すぐ辞めろ」やなくて、「選択肢があるって知っとくだけでええんよ」ってこと。知っとくだけで、ちょっと肩の力が抜けるから。

仕事を続けられそうにならないと感じるほど毎日消耗しているなら、「今すぐ動く」必要はありません。ただ、自分に合う働き方や相談先を”まず知っておく”だけでも、心はずいぶん軽くなります。
→ HSPにおすすめの転職エージェント・相談先まとめを見る
「甘えているだけかもしれない」と自分を疑う必要はありません。仕事を続けられそうにならないと毎日感じているという事実そのものが、選択肢を知っておくのに十分な理由になります。
仕事を続けられそうにならないと感じる方から、よく寄せられる質問にお答えします。
関係している可能性があります。HSPは職場で受け取る音・光・人間関係の機微といった刺激を人よりも深く処理するため、同じ業務量をこなしていても消耗するエネルギーの量そのものが人より多くなりやすいと言われています。「続かない気がする」という漠然とした不安は、気力の問題というより、刺激を深く受け止めてきた結果として体が発しているサインと考えてみてください。
まずは「休めているか」「刺激を減らす工夫ができているか」「一人で抱え込んでいないか」の3点を振り返ってみてください。どれか一つでも崩れている場合は、そこから小さく整えるだけでも消耗のペースが変わることがあります。それでも自信が戻らない場合は、働き方や環境そのものを見直す選択肢を知っておくことも助けになります。
甘えではありません。HSP気質の方であれば、珍しいことではないと言われています。同じ職場・同じ業務量でも、刺激を深く処理する分だけエネルギーの消費量そのものが違うため、周りと同じようにやっているつもりでも、先に限界を感じやすくなります。
平日に受け取った刺激の蓄積が大きいほど、1〜2日の休みだけでは回復しきれないことがあります。休日の予定を詰め込みすぎず、仕事のことを考えない時間をあえて作ることが、回復のペースを取り戻す助けになると言われています。それでも眠れない・食欲がないといった状態が2週間以上続く場合は、一人で抱えず心療内科や精神科などの医療機関に相談してください。
つらい気持ちが強く「消えてしまいたい」と感じるときは、ひとりで抱えこまないでください。
・よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・通話無料)
・いのちの電話(フリーダイヤル):0120-783-556(毎日16〜21時/毎月10日は朝8時〜翌朝8時・通話無料)
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(公的な相談窓口。受付時間は都道府県により異なります/ナビダイヤル=通話料がかかります)
・いのちの電話(ナビダイヤル):0570-783-556(10〜22時/通話料がかかります)
専門の相談員が、あなたの話をそのまま聞いてくれます。
仕事を続けられそうにならないと感じるのは、あなたの気力や根性が足りないからではありません。HSPとして、職場で受け取る刺激を人一倍深く処理してきた、頑張ってきた証拠です。まずは「休めているか」「刺激を減らせているか」「一人で抱えていないか」を確認し、できることを一つずつ整えてみてください。それでも続けられそうにならない状態が長引くなら、環境そのものを見直す選択肢も、あなたには十分にあります。
この記事を書いた人|HSS型HSPとお仕事と私
HSS型HSP当事者。仕事にとことん没頭してプライベートも心身も崩し、どん底を経験した後、少しずつ自分のペースを取り戻してきた実体験をもとに発信しています。
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このサイトの運営者・ハリピン(HSS型HSP)です。飲食店の店長から営業、東証一部上場(当時)の子会社で社長を5年、転職は6回以上。…で、いまはほぼ無職5年以上続けてます。社長まで行って無職、自分でもすごい振れ幅だと思うけど、これが、わりと本気で「全然オッケー」だと思ってます。 強みも弱みも、やってみないと分からないもので「接客は好きだけど、料理と在庫管理は苦手」って、飲食やって初めて知りました。英語もパソコンも苦手で試めてたことが、AIに助けてもらいながら少しずつできるようになってきた。——つまり、今この瞬間ダメでも、時間が経てば何かが変わるかもしれない。(無職期間も大事ってこと!) 僕がここでやりたいのは、“自分が死ぬ瞬間に自分の人生が「よかったな」と思える様になるキッカケを作ること”。正直、自分自身もまだ模索の途中で、全然偉そうなことは言えません。…でも、だからこそ同じ目線で考えれるかなと思ってます。 健康、睡眠、大事! 死ぬのだけは禁止で!
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