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会議で資料の数字の誤りを指摘された。声は荒れていなかったし、責められているというほどでもなかった。それなのに、目の奥がじわっと熱くなって、画面の文字がにじんでいく。
「すみません、ちょっと」と席を立って、トイレの個室で息を整える。鏡の前で赤くなった目を見ながら、ふと思う。いっそ、涙腺ごと取ってしまえたら楽なのに、と。
「なんでこんなにすぐ泣くんだろう」
「泣きたくないのに、勝手に出る。自分でも止められない」
「泣いたら許してもらえると思ってるって、どうせ思われてるよね」
そんな気持ちのまま、スマホに「すぐ泣く 涙腺切除」と打ち込んでいませんか?
結論から言うと、涙腺切除まで考えてしまうほど、すぐ泣く自分がつらいのは、おかしなことではありません。それだけ長いあいだ、泣いてしまうたびに傷ついてきたということです。
ただ、涙腺切除で泣かなくなるのか、そもそも受けてよいものなのかは、僕には断定できません。これは眼科の医師に直接聞くことで、この記事では手術の効果も、受けるべきかどうかも書きません。
その代わりに、涙腺切除を調べる前に知っておきたい涙のこと、すぐ泣いてしまう場面を乗り切る小さな工夫、そして誰にどこまで相談するかを、順番にお話しします。
周りの空気や人の表情を人より細かく拾ってしまう、HSP(Highly Sensitive Person/繊細な気質)の人は、感情の波が涙という形で出やすいことがあります。同じ質問は、知恵袋や医師に相談できるQ&Aサイトにも並んでいて、悩んでいるのはあなただけではありません。
この記事の要点
おかしくありません。
涙腺を取りたいと思うのは、極端な発想に見えるかもしれません。でも、その手前には、きっとこんな積み重ねがあります。
注意されただけで目が熱くなる。真剣に話そうとするほど声が震える。泣くつもりなんてなかったのに、周りの空気が一瞬止まる。そのたびに「また泣いてる」と、自分で自分に言ってきたはずです。
子どもの頃に「泣き虫」と言われた記憶が、いまも残っている人もいるでしょう。大人になってからは、泣くこと自体が「仕事ができない人」のしるしのように感じられて、余計に隠したくなる。
涙腺を取りたいのは、涙が嫌いだからというより、泣いたあとに向けられる目線と、自分を責める声がつらいからです。
そう考えると、本当に減らしたいのは涙の量ではなく、泣くたびに積もる「恥ずかしさ」のほうかもしれません。ここを見ないまま涙だけをどうにかしようとすると、ずっと苦しいままになります。
たとえば、泣いたあとの帰り道。電車の窓に映る自分の顔を見ながら、「あんなことで泣くなんて」と何度も再生してしまう。内容はもう覚えていないのに、泣いた自分の姿だけが、夜になっても頭から離れない。
こういう夜が続くと、「涙さえなければ」と思うのは当たり前です。気持ちを持て余しているだけで、あなたが変なわけではありません。
泣いてしまうこと自体を責めんでええんやで。
涙腺切除を考えるなら、まず涙腺がふだん何をしている場所なのかを知っておくと、気持ちの整理がしやすくなります。
公益社団法人 日本眼科医会の説明では、涙は目の表面を覆うことで、外界から目を守る大切な働きをしているとされています。乾燥から守る、目に栄養を届ける、ゴミやほこりを洗い流す、細菌などから守る、といった役割です。
その涙は、上まぶたの外側あたりにある「涙腺」という涙を作る組織から出て、まばたきのたびに目の表面をうるおしています。
涙腺は、気持ちが高ぶった時に泣くためだけの場所ではなく、毎日目を守る涙を作っている場所です。
では、泣きやすさを止めるための手術は一般的に行われているのか。この記事を書くために調べた範囲では、「すぐ泣く」「涙腺切除」で見つかる眼科の手術の説明は、涙道の詰まりや涙腺の腫瘍など、目の病気の治療が中心でした。感情で泣いてしまうことを止める手術を説明した眼科の公式ページは、見つけられませんでした。
知恵袋で同じ質問を見に行くと、返ってきていたのは「涙腺切除したところであなたの言動は何も変わらないと思います」「手術はしないほうがいいと思います」といった個人の意見で、回答者自身も「医学的な知識はありません」と書いていました。医師の回答ではないので、手術の判断材料にはなりません。
だからこそ、涙腺切除についての可否や影響は、ネットの回答や僕の意見ではなく、眼科の医師に直接聞くことです。聞いてみるだけでも、今の悩みを言葉にする練習になります。
涙そのものより、涙のあとの空気がしんどい。そう感じる人は多いはずです。
注意を受けて泣いてしまった時に、「泣いて許してもらおうと思っているのか」と言われた経験を描いた漫画が、SNSで反響を呼んだことがありました。涙が出たのは許しを求めたからではなく、気持ちがあふれただけ。それでも、周りには「泣いて逃げた」ように見えてしまう。
泣いている最中、本人の頭の中ではもう反省が始まっています。「ごめんなさい」も「次は気をつけよう」も、ちゃんと考えている。ただ、体のほうが先に反応してしまうだけです。
泣くことと、反省していないことは別です。涙が出るからといって、あなたが誠実でないわけではありません。
それでも、泣いたあとに周りが気まずそうに黙る。上司が言葉を選び直す。あの数秒の空気を思い出すだけで、「もう涙腺ごとなくなってしまえば」と思う気持ちは、とても自然です。
注意された場面で泣いてしまう悩みは、注意されると泣いてしまうのは病気?でも、場面ごとにくわしく書いています。
涙を完全に止めることは、きっと誰にもできません。でも、泣いてしまっても困らないように、場面ごとの逃げ道を持っておくことはできます。
涙を止めようと力むより、泣いても話を続けられる形を先に持っておくほうが、気持ちはずっと楽になります。
どれも「泣かないための技」ではありません。泣きそうになった時に、次の一手が決まっているだけで、頭が真っ白にならずに済みます。
涙が出てしまった時は、無理にこらえ続けず、まず一度席を外していい。顔を整えて戻ってくるだけで、場の空気はちゃんと切り替わります。戻ってきた自分を、そのまま迎えてくれる人もいます。
人前で話す日は、事前に「ここで声が震えそうだな」という場所を一つだけ決めておくのもおすすめです。全部を完璧に話そうとせず、震えそうな一文の前で、ひと呼吸だけ置く。ゆっくり話すほど、声は落ち着きやすくなります。
注意を受ける場面では、すべてを一度に受け止めようとしなくて大丈夫です。「一度整理して、あとでお返事してもいいですか」と言える人は、実は強い。その場で全部こなす必要はありません。
「泣いたら負け」というルールを、いったん外してみてください。泣いてもいい、泣いても話は続けられる。そう決めておくほうが、結果的に涙は暴れにくくなります。
場面を乗り切る工夫に加えて、もう一つだけ試せるのが「先に伝えておく」ことです。
「緊張すると涙が出ることがあるんですが、話はちゃんと聞けていますので、続けてください」
たったこれだけで、泣いた瞬間の気まずさがぐっと軽くなります。相手は「泣いている=傷つけた」と構えなくて済むし、あなたも「泣いたことを隠さなきゃ」と力まなくて済む。
泣いてしまうことは、隠さなくても、先に言葉にしておくだけで半分は軽くなります。
全員に言う必要はありません。直属の上司や、いちばん顔を合わせる人など、「この人なら大丈夫」と思える相手だけで十分です。
僕も昔、仕事に没頭して心身を崩した時期があります。あの頃は、限界が近いことを誰にも言えませんでした。今なら、言葉にして先に預けておいたほうが、体も心もずっと持ったと分かります。
泣いてしまう背景に、ためこんだ疲れがあるなら、ストレスの限界サインで泣くのは弱さじゃないも参考になります。
泣いてもええから、話は続けられるって先に言うてしまお。
涙腺切除を調べてしまうほどつらい時は、悩みを二つに分けて考えると、相談先が見えやすくなります。
手術のことは眼科、つらさのことは心の窓口、と分けて相談して大丈夫です。
眼科で「泣きやすくて困っていて」と話してもいいですし、心の窓口で「涙腺切除まで考えるほどつらい」と、そのまま言ってもかまいません。診断を受けに行くのではなく、今のつらさを話しに行く、くらいの気持ちで十分です。
※本記事は医療的な診断・治療を勧めるものではありません。つらさが続く時は専門機関へ相談してください。
HSP気質と泣きやすさの関係を知りたい時は、HSPはすぐ泣く?HSS型HSPがすぐ泣いてしまう理由と、人前で泣きたくない時の対処法も読んでみてください。
効果があるかどうかは、僕には断定できません。手術の可否や目への影響は、眼科の医師に直接相談してください。ネットの回答や体験談だけで決めないことをおすすめします。
これも僕には判断できません。調べた範囲では、眼科の手術の説明は涙道の詰まりなど、目の病気で涙があふれる人への治療が中心でした。泣きやすさについて相談したい時は、そのまま眼科で聞いてみてください。
甘えではありません。泣くことと、反省していないことは別です。涙が出ている間も、頭の中ではちゃんと考えている人がほとんどで、泣いてしまう自分を責める必要はありません。
「涙腺が弱い」は、気持ちが涙に出やすいことを指して口語で使われることが多い言葉です。体の問題なのか心の反応なのかは、僕には判断できません。涙が常にあふれる、視界がぼやけるなど目の症状があれば眼科へ、つらさが続くなら心の窓口へ相談してください。
涙を止めようとするより、泣いても話を続けられる形を持つことです。席を立つ理由を決めておく、息を長く吐く、「泣いても話は聞けています」と先に伝えておく、といった小さな工夫から試してみてください。
手術や目への影響についてなら、眼科です。泣いてしまうつらさや自己否定が重い時は、心療内科・精神科、産業医、自治体のこころの相談窓口などが話す先の候補になります。
この記事を書いた人|ハリピン(HSS型HSPとお仕事と私 運営者)
繊細な気質と向き合いながら「自分に合う働き方」を模索してきたHSS型HSP当事者。同じように泣きやすさや人間関係で悩むHSPさんへ、当事者の視点で発信しています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断を行うものではありません。つらさが続くときは専門機関にご相談ください。


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このサイトの運営者・ハリピン(HSS型HSP)です。飲食店の店長から営業、東証一部上場(当時)の子会社で社長を5年、転職は6回以上。…で、いまはほぼ無職5年以上続けてます。社長まで行って無職、自分でもすごい振れ幅だと思うけど、これが、わりと本気で「全然オッケー」だと思ってます。 強みも弱みも、やってみないと分からないもので「接客は好きだけど、料理と在庫管理は苦手」って、飲食やって初めて知りました。英語もパソコンも苦手で試めてたことが、AIに助けてもらいながら少しずつできるようになってきた。——つまり、今この瞬間ダメでも、時間が経てば何かが変わるかもしれない。(無職期間も大事ってこと!) 僕がここでやりたいのは、“自分が死ぬ瞬間に自分の人生が「よかったな」と思える様になるキッカケを作ること”。正直、自分自身もまだ模索の途中で、全然偉そうなことは言えません。…でも、だからこそ同じ目線で考えれるかなと思ってます。 健康、睡眠、大事! 死ぬのだけは禁止で!
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