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帰りの電車で、つり革につかまったまま、急に目の奥が熱くなる。家のドアを閉めた瞬間、靴も脱がないまま、涙がぽろぽろ落ちてくる。何かあったわけじゃない。ただ、体が重くて、頭が回らなくて、気づいたら泣いている。
「別に悲しいことなんてなかったのに、なんで泣いてるんだろう」
「疲れすぎて泣くなんて、私、どこかおかしいのかな」
「ちょっとしたことで涙が出て、そんな自分にまた疲れる」
「疲れすぎて泣く」とスマホに打ち込んだあなたは、たぶん今、泣いたあとのぼんやりした頭で、この画面を見ているところだと思います。
先に答えをお伝えします。疲れすぎて泣いてしまうのは、弱さでも大げさでもありません。心と体の余裕が底をついて、気持ちを押さえておく力が落ちている、というサインです。悲しい出来事がなくても、涙は出ます。むしろ、同じように疲れすぎて泣いた経験のある人は、たくさんいます。
人の気持ちや場の空気を細かく拾ってしまうHSP(Highly Sensitive Person/繊細な気質)の人は、一日の終わりに残っている「余力」が人より少なくなりやすいと、僕は整理しています。この記事では、疲れすぎて泣く理由と、泣いた夜にまずやること、そして受診を考える目安を、順番にお話しします。
この記事の要点
疲れすぎて泣くのは、心が弱いからではなく、疲れていると、感情を調整する脳の働きに余裕がなくなるからです。
メルボルン大学の研究者が、元の記事を書いています。疲れやストレスが続くと、体を緊張させる側の神経(交感神経)が働いたままになり、感情を調整する前頭前野が「たくさんのプログラムを同時に動かしているコンピューターのように」手いっぱいになる、という説明です。その結果、感情の反応が涙や怒りの爆発のように、目に見える形で出やすくなる、とされています(ScienceAlert「Why your body may need to shed some tears, even if you don’t feel sad」)。同じ記事には、疲れているときは目を開け続けようと頑張るので目が乾き、体がそれを補うために涙を出す、という体の仕組みも書かれています。
つまり、疲れすぎたときの涙は、「気持ちの問題」だけでは説明がつかない、体のほうの反応でもあります。ここは、気持ちの話ではなく、仕組みの話として受け取ってください。
ここから先は、僕の整理です。コップに水をためていくところを想像してください。ふだんは、表面張力でぎりぎり持ちこたえています。そこに、上司の一言、電車の混雑、返信しそびれたメッセージ、そういう小さな一滴が落ちる。泣いているのは最後の一滴の分ではなく、ずっとためてきた分が、あふれただけです。

悲しいことなんてなかったのに、泣いちゃった…
悲しいから泣くとは限らんのよ。疲れで余裕がのうなっとるだけやと思うで。
「HSPだから、疲れすぎて泣くの?」と気になる人もいると思います。HSPの人が、そうでない人より疲れで泣きやすいと確かめられた資料は、僕には見つけられませんでした(共感性の高い人ほど泣く頻度が高い、という話は同じ記事にありました)。だから「HSPだから泣く」とは言い切りません。
そのうえで、僕はこう考えています。HSPの人は、人の表情、声のトーン、部屋の明るさや音まで、細かく受け取ります。受け取る情報が多いと、気づかないうちに、ずっと頭と心を働かせ続けていることになります。疲れが早く溜まるのは、怠けているからではなく、感じ取る量が多いぶん、使っているエネルギーも多いからです。
「みんな普通にこなしているのに、私だけ疲れて泣く」と責めたくなる夜もあると思います。でも、同じ一日でも、受け取る量は人によって違います。比べる相手を間違えているだけです。
泣く自分に、さらに疲れてしまう人もいます。その部分はストレスの限界サインで泣くのは弱さじゃないでも整理しています。疲れとストレスの限界は、重なる部分が大きいからです。
涙が出る前に、実は他のサインが出ていることがあります。振り返ってみて、いくつ当てはまるでしょうか。
これは僕が整理した目安で、診断のようなものではありません。当てはまる数が多いほど、涙は「突然」ではなく、「出るべくして出た」ものだったと考えると、つじつまが合います。自分でも気づかないうちに、体が先にブレーキを踏んでいたのだと思います。
涙が出る少し前の「小さな違和感」に早く気づけるようになると、泣く手前で一度立ち止まれます。次の節では、泣いてしまった夜に、まず何をするかをお話しします。
泣いた夜に大事なのは、「なぜ泣いたのか」を突き止めようとしないことです。疲れで頭が回っていないときに、原因を探しても、悪いほうにしか考えが進みません。これは僕の整理で、効果を保証するものではありません。合うものだけ使ってください。
眠れないときは、無理に眠ろうとしなくて大丈夫です。布団の中で横になっているだけでも、少し楽になる人もいます。



でも、やることが山ほど残ってて、休んでる場合じゃない…
泣くほど疲れとるときの「やること」は、明日の自分に任せてええよ。今夜は寝るのが仕事なんよ。
一晩寝れば戻るなら、それで十分です。でも、疲れすぎて泣く日が何日も続くなら、一晩の休みでは追いついていない、ということです。
ここで大事なのは、「もっと頑張って休む」のではなく、「休む量そのものを増やす」ことだと、僕は考えています。休日にたくさん予定を入れて、リフレッシュしようとして、かえって疲れてしまう。そんな経験のあるHSPの人は少なくないと思います。休日の半分は、何もしない時間にあててください。
具体的には、こんな休み方があります。
仕事を休むことに罪悪感がある人は、プライベートで辛いことがあった日に、仕事を休むと決めていい理由と伝え方も読んでみてください。休む理由の伝え方も書いています。
泣くほど疲れているのに、休まずに走り続けるのは、燃料の警告灯がついたまま走るようなものです。警告灯を見ないふりをするほうが、あとで大きな故障になります。
疲れすぎて泣くことは、誰にでも起こりえます。でも、休んでも涙が続くときは、一人で何とかしようとしなくて大丈夫です。病院に行くのは、「重症だから」ではなく、「つらさが続いているから」で十分です。
次のようなことが、休んでも長く続いているなら、かかりつけ医や、心療内科・精神科への相談を考えてみてください。国立精神・神経医療研究センターの情報サイトでも、眠れない・食欲がない・何をしても楽しめないといった変化が続いて、日常生活に支障が出ているときは、自己判断をせずに専門家へ早めに相談することがすすめられています(こころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター))。
この記事は診断ではなく、「疲れて泣く」ときの整理です。病名がつくかどうかは、医師が診察して決めることで、ここで判断できることではありません。相談のときは、「いつから、どんなときに泣くか」「眠れているか、食べられているか」をメモしていくと、話しやすくなります。
ストレスで急に涙が出てくる場面の見分け方は、ストレス 涙が出る…悲しくないのに急に涙が出てくる理由と、その場のしのぎ方にも書いています。
疲れすぎて泣いてしまうのは、あなたが、それだけ毎日を真面目に受け止めてきたからです。泣いたことを責める必要はなく、泣くまで頑張ったことを、まず認めてあげてください。
今夜は、理由を探さなくて大丈夫です。水を一口飲んで、目を閉じて、寝る。それだけで十分です。



泣いてもいいって、思っていいのかな。
ええよ。泣くくらい頑張ったんやから、今日は休んでええんよ。
おかしくありません。疲れが溜まると、感情を調整する余裕がなくなって、涙が出やすくなると説明されています(上で紹介したメルボルン大学の研究者の記事)。悲しい出来事がなくても、起こりえることです。
この記事から、どちらかを見分けることはできません。休んで涙が落ち着くなら疲れの可能性もありますが、休んでも涙・不眠・食欲の低下が長く続くときは、医療機関に相談してください。この記事は診断ではありません。
泣けるなら一度泣ききって、水を一口飲み、目を閉じて休むのが、僕のおすすめです。考えごとや大事な決断は、明日の朝に回してください。
どちらも「すぎて泣く」という形ですが、きっかけが違います。好きという強い気持ちがあふれて泣くのに対し、疲れすぎて泣くのは、気持ちを押さえる余裕が底をついて出る涙です。疲れが原因のときは、涙のあとに体の重さやだるさが残りやすいと、僕は整理しています。
関係していることがあります。疲れていると、怒りの感情も涙も、ふだんより抑えにくくなると説明されています(上で紹介したメルボルン大学の研究者の記事)。腹が立ったのに涙が出てしまう自分を責めず、先に休むことを優先してください。
HSPの人が疲れで泣きやすいと確かめられた資料は、見つけられませんでした。ただ、受け取る情報が多いぶん、疲れが溜まりやすいとは言えそうです。泣く日が続くときは、医療機関にも相談してみてください。この記事は診断ではありません。
この記事を書いた人|ハリピン(HSS型HSPとお仕事と私 運営者)
繊細な気質と向き合いながら「自分に合う働き方」を模索してきたHSS型HSP当事者。同じように繊細さで悩むHSPさんへ、当事者の視点で発信しています。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断を行うものではありません。つらさが続くときは専門機関にご相談ください。


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このサイトの運営者・ハリピン(HSS型HSP)です。飲食店の店長から営業、東証一部上場(当時)の子会社で社長を5年、転職は6回以上。…で、いまはほぼ無職5年以上続けてます。社長まで行って無職、自分でもすごい振れ幅だと思うけど、これが、わりと本気で「全然オッケー」だと思ってます。 強みも弱みも、やってみないと分からないもので「接客は好きだけど、料理と在庫管理は苦手」って、飲食やって初めて知りました。英語もパソコンも苦手で試めてたことが、AIに助けてもらいながら少しずつできるようになってきた。——つまり、今この瞬間ダメでも、時間が経てば何かが変わるかもしれない。(無職期間も大事ってこと!) 僕がここでやりたいのは、“自分が死ぬ瞬間に自分の人生が「よかったな」と思える様になるキッカケを作ること”。正直、自分自身もまだ模索の途中で、全然偉そうなことは言えません。…でも、だからこそ同じ目線で考えれるかなと思ってます。 健康、睡眠、大事! 死ぬのだけは禁止で!
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